①女性と歯の健康

 むし歯や歯周病には女性特有のリスクがある
 女性であることは、それだけで虫歯や歯周病にかかりやすいと言えます。
 日本人のむし歯の数を男女別・年代別に調べたものです。
これを見ると、幼少期から80歳代まで、ほぼすべての年代で男性より女性のむし歯が多くなっています。
唾液の量や中和力、ミュータンス菌の数などで個人差はありますが、実はこの傾向は世界共通にみられ、そこには女性特有のリスクが存在していることを意味しています。

 また、歯周病の発症や悪化には女性ホルモンの関与が大きいことも分かっています。
歯周病菌のなかには、女性ホルモンを好む種類の菌がいて、女性ホルモンが増えると、一気に増殖するものがあるからです。
生理前後に歯肉が腫れることがあるのも、女性ホルモンのバランスが変化する為です。
 
 本章では、こういった女性特有のリスクを理解して、むし歯や歯周病の適切なケアに繋いでいただきたいと思います。

 そもそも女性の歯は弱く唾液の量も少ない
 女性のリスクの一つは、唾液腺のサイズが小さく、唾液分泌量が少ないことです。男性に比べると唾液の中和力である緩衝能が著しく低く、口の中がいったん酸性に傾くとなかなか中性に戻りません。そのため、むし歯になりやすく進行もしやすいのです。

 特に更年期はホルモンバランスが崩れて唾液の分泌量はガクッと減少します。むし歯だけでなく、歯周病やドライマウスのリスクも加わります。

 また、女性の歯は男性よりもエナメル質の硬度が低く、その下にある象牙質は男性よりも薄いことが分かっています。

 歯はエナメル質、象牙質、歯髄(神経)の三層構造になっていますが、防御壁であるはずのエナメル質が弱いというのは、虫歯予防にとって致命的です。
また、象牙質が薄ければむし歯が歯髄まで達しやすいということ。まさに女性にとって、むし歯との戦いは宿命ともいえるもの。毎日のケアや生活の工夫がとても大事です。

予約
歯のこばなし
今日のお天気