2016年9月20日

①女性と歯の健康

 むし歯や歯周病には女性特有のリスクがある
 女性であることは、それだけで虫歯や歯周病にかかりやすいと言えます。
 日本人のむし歯の数を男女別・年代別に調べたものです。
これを見ると、幼少期から80歳代まで、ほぼすべての年代で男性より女性のむし歯が多くなっています。
唾液の量や中和力、ミュータンス菌の数などで個人差はありますが、実はこの傾向は世界共通にみられ、そこには女性特有のリスクが存在していることを意味しています。

 また、歯周病の発症や悪化には女性ホルモンの関与が大きいことも分かっています。
歯周病菌のなかには、女性ホルモンを好む種類の菌がいて、女性ホルモンが増えると、一気に増殖するものがあるからです。
生理前後に歯肉が腫れることがあるのも、女性ホルモンのバランスが変化する為です。
 
 本章では、こういった女性特有のリスクを理解して、むし歯や歯周病の適切なケアに繋いでいただきたいと思います。

 そもそも女性の歯は弱く唾液の量も少ない
 女性のリスクの一つは、唾液腺のサイズが小さく、唾液分泌量が少ないことです。男性に比べると唾液の中和力である緩衝能が著しく低く、口の中がいったん酸性に傾くとなかなか中性に戻りません。そのため、むし歯になりやすく進行もしやすいのです。

 特に更年期はホルモンバランスが崩れて唾液の分泌量はガクッと減少します。むし歯だけでなく、歯周病やドライマウスのリスクも加わります。

 また、女性の歯は男性よりもエナメル質の硬度が低く、その下にある象牙質は男性よりも薄いことが分かっています。

 歯はエナメル質、象牙質、歯髄(神経)の三層構造になっていますが、防御壁であるはずのエナメル質が弱いというのは、虫歯予防にとって致命的です。
また、象牙質が薄ければむし歯が歯髄まで達しやすいということ。まさに女性にとって、むし歯との戦いは宿命ともいえるもの。毎日のケアや生活の工夫がとても大事です。

2016年9月 6日

「早産」や「低体重児出産」のリスクは5倍以上に跳ね上がる

 歯周病菌は女性ホルモンを栄養源とするため、ある時期には女性は歯周病が進行しやすい傾向があります。
特に妊娠中は女性ホルモンが大量に分泌され、唾液の中にも溶け込んでいるため、歯周病のリスクが一段と高まります。
 
 さらに注目しなければならないのは、歯周病にかかっている妊婦は、歯周病の無い妊婦に比べて、早産や低体重児出産のリスクが5~7倍に膨らむというデータです。

 歯周病の炎症があると、PGF2(プロスタグランジンE2)という酵素や、炎症性サイトカインの血中濃度が高まりますが、これらには子宮を収縮させる作用があります。
PGE2は陣痛促進剤として使われるほど子宮収縮作用が強いことからうかがえるように、この作用によって早産や低体重児出産の可能性が高くなるのです。

 妊娠中でも徹底的に歯周病治療をすればこうしたリスクを軽減できることも知られています。
安定期に入ったらぜひ歯科医院で検診をうけることをおすすめしまう。

予約
お知らせ
お知らせ一覧を見る
歯のこばなし
今日のお天気