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虫歯と歯周病の原因

こんにちは!プラザ若葉歯科ブログ担当の佐藤です。
みなさんは、虫歯や歯周病の原因は何かご存知ですか?

 

虫歯も歯周病菌も、それぞれ「虫歯菌」と「歯周病菌」が原因だといわれています。一言でむし歯菌といっても、ミュータンス菌をはじめとした数種類の細菌がかかわっているとされています。歯周病菌も同じです。300種類以上いる口の中の菌を「口腔常在菌」といいますが、その中の数種類以上の菌がかかわっているのです。

 

ウィロビー・D・ミラーが虫歯の原因について「ミラーの化学細菌説」を発表したのは、1989年(明治22年)のことでした。それまでは、「虫歯」という名前のように、虫が歯をかじると考えられていました。ですから、細菌が特定できなかったとはいえ、ミラー説は画期的だったといえるでしょう。1955年(昭和30年)以降、無菌状態で動物の飼育が可能になり、原因とみられる細菌が特定されました。ふつうのラットに砂糖を含んだエサを与えると虫歯ができるのですが、無菌状態のラットは砂糖入りのエサでも虫歯にならなかったのです。この結果、数種類の虫歯菌が見つかり、最大の原因菌として、ミュータンス菌が注目されています。

 

長い間、なぜ虫歯の原因菌だけが特定できなかったのでしょうか。その原因は、虫歯を作る細菌は誰の口の中にも済みついている「常在菌」だったからです。結核菌のように、ふだん人の体にいない特定のバイキンが侵入して病気になる「感染症」とは区別して考えなくてはいけません。常在菌はふつう、まったく「悪さ」を働きません。むしろ、有害なバイキンが外から入ってくるのを防ぐ役目を果たしています。しかしその一部の菌が、ある時突然に活発な活動をして体に有害な働きを起すことがあります。これを「日和見感染」といいます。

 

常在菌についてもう少し詳しくお話しますね。人の体に日常的に生息する細菌を、常在菌と呼びます。常在菌は、皮膚、口腔、気道、腸内にいます。つまり、下界との接点にいて人を守っているともいえます。

 

もともとバイキンは進化の過程で、人が出現するはるか昔から地球上で暮らしていた生物です。バイキン同士も勢力争いをして、暮らしやすいところを求めて移動しています。そこに、植物や動物や人が現れ、人の皮膚やお腹の中に定住し、共存共栄の関係を結んだバイキンが人の常在菌なのです。そこが口の中だったりもするのです。

 

人の体は一定の温度環境にあり、エサも安定供給されるため、住みつくには好条件です。人が毎日食べるものの中で、人が消化吸収できない成分が常在菌のおもなエサになっていることが多いのです。そのため、人にとっては腸内常在菌の存在によって、本来なら消化できないものでも消化できることになります。

 

私たち人間の中に、常在菌として虫歯菌がいるなんてびっくりですね。
次回は、常在菌がどのような時に悪さをしてしまうのかを詳しくお話します。

 

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