花粉症で歯が痛くなるって本当?
ムズムズ…クシュン!
毎年必ず訪れる、花粉症の季節。老若男女問わず、毎年多くの人が頭を悩ませています。
さらに、花粉症の時期に「なんだかズキズキと歯が痛む」…と歯医者に来院する患者さんもいらっしゃいます。実は、花粉症の影響で歯が痛くなることがあるのです。
今回は「花粉症で歯が痛くなるの?」という疑問から、体の仕組みやおうちでできるケアなどを考えていきたいと思います。痛みの原因を知って、つらいこの季節を元気に乗り越えて、春を迎えましょう!
1、花粉症とお口の関係
日本人の国民病とも言われている花粉症は、東京都健康安全研究センターの平成28年度の調査によると、都内のスギ花粉症の推定有病率は48.8%と推計されているそうです。(東京都健康安全研究センター「花粉症一口メモ2019」より)
一見関係なく思える歯の痛みと花粉症。くしゃみ、鼻水、目のかゆみ…それ以外にお口の中ではどんなことが起こっているのでしょうか?
免疫力の低下
スギ花粉の時期などは特に、季節の変わり目で気温の変化も激しく、そんな時期は免疫力が下がりがちです。体の免疫が下がると、お口の中の菌のバランスが崩れ、歯ぐきが腫れるなどの症状が出ることがあります。
口の中が乾燥する
鼻が詰まっている状態が続くと、口呼吸によってどうしてもお口の中が乾いてしまいます。その乾燥状態は菌にとっては過ごしやすい…つまり菌が繁殖しやすくなるのです。それが歯垢になって歯周病やむし歯の直接的な原因になってしまいます。
また、唾液にはお口の中の自浄作用・殺菌作用があることからも、できるだけ乾燥しない方が良いことがわかります。さらに、花粉症の症状を緩和する薬の種類によっては、口が乾きやすくなる服作用があるため、乾燥状態を進めてしまう可能性もあります。
2、花粉症で歯が痛くなる原因
むし歯と歯周病
先に述べたように、口呼吸や薬の副作用によってお口の中の乾燥状態が続いてしまうと、むし歯や歯周病のリスクが高まります。さらに花粉の中での外出も憂鬱になり、歯科医院でのクリーニングにも足が遠のいてしまうと、お口の不調を発見することが遅れてしまいます。歯が痛む原因の中には、これらのトラブルが進行している可能性が考えられるため、歯科医院での早期の治療をおすすめします。
副鼻腔炎
むし歯や歯周病がなくても、奥歯のあたりが痛むことがあります。
私たちの顔には、頬骨のあたりに上顎洞(じょうがくどう)という、鼻腔とつながっている空洞があり、花粉症やアレルギー反応などでここの粘膜が腫れてしまうことがあります。その部分が炎症を起こしてしまうのが「副鼻腔炎」、いわゆる「蓄膿症」と言われるものです。上顎洞は上の奥歯と近い位置にあるため、炎症によって刺激されて、その結果上の奥歯が痛むというわけです。
3、今日からできる!おうちでのケア
「そんなこと言ったって、花粉症の薬を飲まないと仕事や授業に集中できないし、何よりつらい!」「できることなら鼻呼吸したいけど!」
そう叫びたい方々も多いかもしれません。もうすでに苦しい思いをたくさんしているのに、加えて歯の痛みまで抱えたくないですよね。だからこそ、おうちで実践できる身近なケアから始めてみましょう。
お口を潤す
・ノンシュガーのキシリトールガムなどで唾液の分泌を促す
・こまめに水を飲み、口腔内を湿らせておく(ジュースなどではなくお水)
健康的な生活を心がけて免疫力を上げる
・十分な睡眠で抵抗力を高める
・偏った食生活、刺激物や脂質の摂りすぎ、過度の飲酒は控える
歯磨きはていねいに
・歯垢ができやすい状態のため、普段以上にていねいな歯磨きを心がける
部屋の湿度を保つ
・乾燥している室内では花粉が舞いやすいため、加湿器等で適度な湿度を保つ
4、歯医者へ行こう
歯の痛みを感じたら、まずは歯科医院での受診をおすすめします。レントゲンやCTなどの方法で痛みの原因を知ることが、改善への第一歩になるからです。ですが、花粉の時期特有の「歯医者での悩み」、ありませんか?
患者さんの中には「治療中にくしゃみが出てしまったらどうしよう…」「途中で鼻水が出たら嫌だな…」と心配なあまり、治療や定期健診を先延ばしにしてしまう方もいらっしゃいます。だけどそんな時こそ、定期的なクリーニングがとっても大切です。
歯科医師の先生や歯科衛生士さんたちの中にも、花粉症のつらさを知っている人がたくさんいますので、心配な方はお気軽に「花粉症なんです」とお声がけくださいね。
また当院では高性能の空気清浄機を、待合室と診療室で常に稼働していますので、快適に過ごしていただけます。
※感染症対策の一環として、当院ではくしゃみや咳エチケットへのご協力をお願いしております。ハンカチや服の袖で口元を覆っていただけますよう、ご配慮をお願いいたします。
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立春を迎えて暦の上では春とは言っても、まだまだ寒い日が続いています。体調や自律神経が崩れやすい時期でもありますので、身体のことを知って、ご自身でできる身近なケアから始めてみませんか?
本格的な春の到来まであと少し。日々の対策で症状を緩和しながら、素敵な春をお過ごしください。
当院は、坂戸・川越からも近く若葉駅からも歩いて来院できる歯医者です
科目;一般歯科・小児歯科・インプラント・矯正
~坂戸市・鶴ヶ島市の歯科。託児も保育専門スタッフがいるので安心。~