再石灰化を促進するリカルデントとは
こんにちは!プラザ若葉歯科ブログ担当の佐藤です。
今回は、前回に引き続き虫歯予防に効果的な成分「リカルデント」についてお話します。
「リカルデント」(CPP・ACP)は、「乳製品を多く取る人たちに虫歯が少ない」ことに着目したメルボルン大学のエリック・レイノルズ教授が、15年におよぶ研究の末に開発された新成分です。CPP・ACPを構成するCPPは、牛乳を分解して得られる天然由来の成分です。ACPは、人が利用できる性状をもったリン酸カルシウムです。この豊富なミネラル(カルシウム/リン)が、CPPの働きによって歯に取り込まれやすい状態で保たれます。リカルデントは、さまざまな試験によって虫歯を抑制ー再石灰化することが確認されて、現在はガムとして商品化されています。みなさんも、お店で目にしたことは多いのではないでしょうか。
世界数か国の1人平均の年間砂糖消費量と、虫歯の数を比較してみると、かならずしも相関関係は認められていません。キシリトールやリカルデントには、虫歯を抑制したり再石灰化を促進したりする効果があるとは思います。しかし、過剰な期待と食べ過ぎは禁物です。特に低年齢者が常時使うことは、甘い物を好む体質につながっていきますので、注意が必要です。小さな子どもにとって、おやつは栄養上の重要な補助食です。糖分の量や質にこだわるよりも、ダラダラ食べて、糖分を口の中に停滞させる習慣を改めて下さい。ペットボトルを片手に、スナック菓子をいつでも持ち歩く子どもに、虫歯が多く目立ちます。おやつの時間をしっかり決めて食べましょう。また、甘いものを食べた後は、リンゴのような繊維性の食べ物を食べて、歯についた糖分を取り去る有効な方法とされています。
カルシウムやリンといったミネラルは、通常、唾液中にも存在し、歯が酸によって溶けだしてしまうのを抑制したり、溶けかかった歯へミネラルを取り込んだりしています。CPP-ACP配合のMIペーストとだ液に含まれるミネラルの量を比較したものでは、CPP-ACPがだ液に比べてはるかに豊富なミネラルを含んでいることがわかります。
虫歯菌に感染したラットの歯に、各種濃度のリカルデント溶液と500PPmフッ素溶液との組み合わせを作り、虫歯の抑制効果を検討した結果、1%のリカルデント溶液では55%の抑制効果が認められました。一方で、リカルデント単体で使うよりも、フッ素も併用した方がより高い効果が期待できることもわかりました。
虫歯を予防するための方法のひとつとして、リカルデントの入ったガムや歯磨き粉を使うのはとても効果的です。ただ、あくまで補助的な役割として考え、虫歯のできにくい環境を保てるような食生活をしていくことも心がけていきましょう!
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