ドラキュラと八重歯
八重歯は昔、人間がドラキュラだった時の牙の名残であると皆さんはご存じでしょうか。なんちゃって。ドラキュラの持ついくつかの特徴の中でも、特に際立っているのが鋭くとがった牙です。鋭い牙で人間の首元を刺し、新鮮でおいしい血を食します。そして、ドラキュラに血を吸われた後の人間は体内の血を全て吸われて、干からびて死んでしまうそうです。キャー!!
さて、ハロウィーンの時期が近づいていました。皆さんは、仮装にチャレンジしたことはあるでしょうか。魔女やドラキュラは、まさに仮装の代名詞。そして、ドラキュラの牙のように見える歯が人間にもあるよね!ということで、今日は(無理やり?)ドラキュラの牙と八重歯の話をします。
ドラキュラの起源
余談になりますが、少しドラキュラの起源についてお話します。日本にも古くから、鬼や河童などの言い伝えがあるように、欧米でも吸血鬼として、昔から逸話として伝承されてきたようです。そして、1800年代にアイルランド人の作家が出版した『吸血鬼ドラキュラ』という本のヒットにより、ドラキュラという名前が広く知られることになりました。吸血鬼にあたる言葉がバンパイアで、「ドラキュラ」というのは、その本で主人公として登場する吸血鬼の名前だそうです。知らなかった!!
八重歯の他の言葉
日本では可愛いとみなされ、時にはチャームポイントとされてきた「八重歯」。ほかの国の言葉では、なんというのか少し調べてみました。実際に調べた中では、いくつかの言語で、八重歯という単語そのものに該当する単語がないという国もありました。その代わり、八重歯に該当する単語として「重なった歯」「上にある歯」という表現が多いことが分かりました。
中国語:虎牙
韓国語:덧니(重なった歯)
スペイン語:diente chueco(曲がった歯・もう一つの歯)
フランス語:Dents doubles(重なった歯)
ドイツ語 :Überzahn(歯の上)
英 語 :「Double tooth」または「Vampire tooth」
注目すべき点は、英語です。まさに、バンパイアそのもの。ここからわかるように、欧米人にとって、やはり八重歯は忌み嫌われるドラキュラのように、あまり好ましいものとはされないようです。
余談ですが、フランスではすきっ歯が「幸福の歯」とされていて、あえて矯正しない人もいるようです。日本の八重歯が可愛いとされるような特異な文化は、ほかの国にもあるんですね。
八重歯となる理由
なぜ、八重歯が生まれるのでしょうか。それは、歯が生えてくるスペースが足りないからです。犬歯に限らず、顎の大きさが小さい場合は、大きな永久歯がそろって並んで生えてくるのは難しくなります。特に、犬歯が生える順序は左右の歯より遅いため、十分なスペースがなければ、斜めにずれて生えてきてしまうということになるようです。犬歯と言われる、前から4番目の歯は先に生えてきた中心から3番目の前歯と奥の第一小臼歯の中間に生えてきます。左右の歯がある状態で、犬歯が横入りするように生えてくることが多いので、十分なスペースがない場合に、重なるように歯が生えてきてしまうのです。
歯並びで変わる印象
今は、マスクをつけて生活することが日常になってきました。新しくできた職場での同僚や友人とも、素顔で対応することは少なくなってきたかもしれません。しかし、飲み物を飲むとき、鼻をかむとき、食事を一緒にするときなど、マスクを外す場面は意外と多くあります。ふと、口元を見たとき、相手が鋭く長い牙を持っていると知ったらどうでしょうか?まさかドラキュラだった、ということはないと思いますが、…!実は口元を初めて見るときに感じる印象は小さくありません。相手に感じていた印象が変わってしまうこともあるでしょう。素顔がなかなか見えない時代だからこそ、口元が見えた時に相手に与える印象は、もしかしたらマスクなしの時代よりも大きいものとなるかもしれません。
きれいに並んだ白い歯は、本当にその人の魅力を何倍もアップします。私も、きれいな歯並びを持つアメリカ人の友人に、ウインクされたときは、素敵すぎて、クラクラしてしまいました。
冗談はさておき、乱れた歯並びは外見への影響ばかりでなく、体の健康や本人の内面にも大きく影響します。歯並びや噛み合わせの影響によって、普段からよく噛まずに食事をしていると、消化不良の原因になったり、顎の成長が進まないために噛む力が鍛えられないことにもつながります。
また、口がしっかり閉じられないことにより常に口の中が乾燥し、口臭・歯周病の原因や活舌が悪くなる恐れもあります。
プラザ若葉歯科では、皆さまの魅力をアップする手伝いとして、歯列矯正も行っております。歯並びに関して気になることがあれば、いつでも、どのような相談事でも遠慮なくお問い合わせください。