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もうすぐバレンタイン!カカオの持つ歯周病菌に抵抗する力

 虫歯とバーターのように描かれるチョコレート。チョコレートは悪者ではないかもしれません!?

もうすぐ、2月、甘いもの好きの私たちを誘惑するようにバレンタインの時期が近づいてきました。甘いものは私たちの心を癒してくれますよね。特に寒い時期に、お口の中で甘みがとろけていくのなんて、想像しただけでよだれが出てきます。

今日は、虫歯に直結する代表のお菓子として悪者にされてきたチョコレートの名誉を挽回するべく、歯にとって良いこともあるんだよというお話をしたいと思います。特に、歯周病菌に抵抗する驚くべき力について、チョコレート、特にカカオポリフェノールの持つ力について解説します。

カカオポリフェノールと歯周病菌

歯周病は、自身の免疫力が自分自身の歯茎や歯を支える骨を溶かしてしまう病気です。カカオポリフェノールは、どのようにしてこの歯周病と戦ってくれるのでしょうか。大きく分けて次の4つの作用があります。

 

カカオポリフェノールの歯周病に対する作用

 

1.歯周組織への酸化ストレスの緩和

私たちは生活するうえで、日々いろいろなストレスにさらされていますが、体の中でも体を錆びさせて老いや病気を引き起こそうとする、「酸化ストレス」というものを受けています。酸化ストレスとは、過剰に生成された活性酸素が、老いてしまえー、錆びてしまえーと、自身の体を攻撃してくる働きのことなのですが、それに対抗してくれるのが、カカオポリフェノールです。

一般的に歯周病で炎症を起こした部分では、酸化ストレスが強くなることがわかっています。お口の中から食べ物の汚れや細菌が完全に消え去ることは不可能なため、一度、歯周病になると酸化ストレスは強いままとなります。すごいストレスです!

しかし、カカオポリフェノールを摂取していると、その炎症部分に対する酸化ストレスが増加しにくいということがわかりました。つまり、炎症を悪化させる働きが抑制されるということにつながるのです。言い換えると、カカオポリフェノールには、免疫力が自分の歯茎や歯を支える骨を攻撃する力を弱めるという作用があるということです。

歯周病組織への酸化ストレスの緩和

2.免疫力の維持

カカオポリフェノールの持つ2つ目の効用は、私たち自身の免疫力が下がらないように助けてくれることです。体が年を取っていくのは、活性酸素によってどんどん錆び(酸化し)ていくからなのですが、ただただ老いていくのを受け入れるだけではありません。体にはちゃんと老いに抵抗する力が備わっているのです。えらいぞー!それが抗酸化力と呼ばれるチカラです。

歯周病になると、抗酸化力もどんどん落ちていきます。戦いが長引くほど、抵抗する力は弱まっていくというと、わかりやすいかもしれません。しかし、カカオポリフェノールを定期的に摂取することで、抗酸化力(抵抗する力)が下がりにくいということが明らかになりました。歯周病が悪くなろうとする働きに、抵抗する力が維持できるということは、素晴らしいことですね。

私たちがあきらめないで、カカオポリフェノールを摂取し続ける限り、歯周病が悪化しようとする動きに抵抗できるということです!やったー!

3.炎症を抑える

カカオポリフェノールには、炎症自体を抑える効果があるそうです。炎症は、細菌と免疫力が戦っている証拠です。病気やケガなど攻撃対象が明確で、正しい悪者を攻撃している場合は良いのですが、歯周病の場合は攻撃対象が自分の歯茎や歯を支える骨(歯槽骨)です。炎症を抑えない限り、自分の体を攻撃する働きが収まらないため、歯周病の治療でも細菌を減らし、炎症を抑えることが第一優先の治療となります。

カカオポリフェノールは、その炎症を抑える働きがあるため、悪化のスピードを緩和し、歯茎をまもってくれるのです。

4.攻撃力の緩和―血液中の酸化ストレスの増加を抑制

歯周病に罹患すると、体の免疫力が「戦う相手が増えた」と認識するため、血液中の活性酸素の量が増加し、それに比例して酸化ストレスも増加します。

活性酸素は、その名に恥じない元気さを誇っているので、いつも活発に動き回っています。悪者に専念しているときは、頼りがいがあるのですが、自分自身を傷つけてしまうときにも、その働きっぷりを発揮してしまうので、いつもぷりぷり怒っているような状態です。

歯周病菌の攻撃力の緩和

そんな状態の時に、カカオポリフェノールさんは、怒っている活性酸素さんに対して、「まーまーまー、落ち着いてくださいな」と声をかけて(イメージ)、怒りを和らげてくれるのです。つまり、カカオポリフェノールは、体内の血液中の酸化ストレスを抑えてくれるという働きがあります。血液中の酸化ストレスの増加を抑制してくれるということは、歯周病だけでなく、ありとあらゆる病気の予防にも効果があることが考えられます。心強いですよね。

チョコレートは、心も頭もリフレッシュさせてくれるだけではなく、体にとってもとてもよい働きをするということがお分かりいただけたでしょうか。私たちを文字通り癒してくれるチョコレート。効能も美味しい魅力も、たくさん味わえるバレンタインにしたいですね。

余談にはなりますが、最後に私からプレゼンしたいと思います。

「人は甘いものを食べながら怒ることはできないと思いませんか?だって、プリン食べながら怒鳴っている人なんて見たことないですよね!」

今年のバレンタインは、チョコレートで心も体もお口も健康に、そして優しい気持ちで過ごせますように♪

なお、本日お話しする内容は、岡山大学での「ココアポリフェノールと歯周病対策について」ラットを使って研究された結果から、わかりやすく話をまとめさせていただきました。

引用:「ココアポリフェノールと歯周病対策について」

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